天国と地獄

黒澤明監督のサスペンス作品です。

シロクマ
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とにかく映像の魅力に引き込まれる作品です。最後の最後まで緊張感の漂うサスペンス映画で迫力満点です。

作品情報

制作年上映時間製作国
1963年143分日本

高台に豪邸を構えている製靴会社の権藤の子供と間違えられて、お抱え運転手の子供が誘拐される。権藤は悩みに悩んだ末、全財産を投げ出して三千万円の身代金を払い子供を救い出す。警察の捜査が始まり、一人の非凡な知能犯である青年が浮かんでくる。その動機とは……。全編息づまるサスペンスで、特に鉄橋を利用した現金受け渡しのシーンは有名で、これを模倣した誘拐事件が実際に発生した。また白黒作品であるにもかかわらず、映画の最もポイントとなるシーンで一個所着色を施すなど黒澤明の映画魂が感じられる傑作。

引用:天国と地獄〈1963年〉

作品の裏側

元になった作品

エド・マクベインの原作「キングの身代金」を元にした作品です。

シロクマ
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原作も読んで見たいです。

制作の小話

伝説の鉄橋シーンの裏側を紹介します。

黒澤は突然、〈列車を借り切って一瞬の間に全カット撮れないかと言い出した〉と、カメラマンの中井朝一は回想する。

「撮影当日は特急第2こだまに先頭から最後尾車両まで8人のカメラマンを配置、酒匂川を轟音と共に通過する時間は約15秒。

〈……本番は何秒、何秒と秒読みみたい。カメラは先頭に2台、後尾2台、ぼくのところに3台、それからまん中に1台、4組に別れていたんです。このシーンは、スクリーン・プロセス(既に撮影してある映像を背景に流す)を使ったら感じは出なかったでしょう。……〉」

引用:黒澤明『天国と地獄』の迫真力

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国鉄に協力を願い出て、特急こだまの前代未聞の貸し切りロケをするのに1日でなんと2千万円もかかっているそうです……..!黒澤監督のスケールの大きさに驚きです。

映画を見られる媒体

この作品は多数ネット配信で見ることができます。